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洛星ロボット研究部 開発日誌

洛星中学高等学校のロボット研究部・同好会のブログです。

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Bluetooth Class2 とは一体なんなのか。

ロボカップジュニアレスキューチャレンジのルールに利用の許可が明文化された「Bluetooth Class2」ですが、一体なんなのか。
マウスやキーボードなどですでに利用している人はもうご存じだとおもうのですが、ルールに記載されたので新たにBluetoothという技術を知る人が増えていくと予想されるのですが、ロボットの分野ではじめて見ると誤解(Bluetoothという部品が存在するだとか、Bluetoothという電波を送信する部分をつくるんだとか)も生みそうなのでOBですが、主に後輩のために説明したいと思います。

Bluetoothとは近距離にある機器同士で無線通信するための規格です。
無線通信と聞くと、一つの周波数をずっと利用し、同時には同じ周波数が利用できず、混信するものだというイメージがあると思います。TVやラジオがその例ですが。無線LANも一つのグループで常に同じ周波数(チャンネル)を利用し、すでに周辺で利用されているチャンネルを利用しようとすると混信することになります。
ですからこれがこれまでロボットの競技では無線通信というものは禁止されてきた理由です。各チームが勝手に利用する周波数を決めると会場で混信する可能性があるからです。

しかし、Bluetoothは複数の周波数(正確には2.4GHz帯(2402~2480MHz)1MHzごとの計79個のチャネル)を毎秒1600回切り替えて通信しています。

複数の機器が通信している場合を考えてみます。Bluetoothでない場合どちらも同じ周波数を利用してしまうと手動で設定をかえるなりなんなりしてお互いが干渉しないように操作するまではどちらも通信ができなくなります。しかし、Bluetoothの場合細かく周波数をランダムに切り替えるのでたまにチャンネルが重なり通信できなくなったとしても次の瞬間はお互い違う周波数を使うので通信ができます。これにより重大な混信は発生しません。

また、Class2と言うのは単なる電波の強さです。
Class1は電波強度100mWだいたいの到達距離が100m、Class2は2.5mW(10m)、Class3は1mWで1mとなっています。つまり、Class2が許可されているということはそれよりも弱いClass3も利用していいということです。

といってもこんな根本的な規格を知る必要はありません、もちろん基礎知識として知っておいてほしいですが、周波数ホッピングをするにはどうすればいいのかなど自分でBluetooth規格の通信をする回路を組むなら別ですが、そんなことは無いでしょうし、開発しても「Bluetooth SIG」による認証を受けない限りBluetooth対応と名乗ってはいけません。

実際にロボットの通信を行う場合は既に存在するモジュール(正しくはSPPプロファイルによるシリアル通信モジュール)を購入しマイコンに接続することになると思います。
マイコンにはSCIやUARTなどのシリアル通信機能がついているはずです。ロボット同士で通信するにはこのシリアル同士を有線で接続することによって実現できるということは予備知識として理解していただきたいものです。これができないかぎりBluetoothによる無線通信に取り組もうとするのはやめてください。まずは有線で接続して通信するという実験をしてからBluetoothによる無線通信に取り組みましょう。

なぜなら、Bluetoothモジュール(SPPプロファイルによるシリアル通信モジュール)は通信する経路を用意してくれるだけ(つまり、有線でつないでいた部分を無線にしてくれるだけ)でマイコンにプログラミングする内容はほとんど有線と変らないからです。

ほんとうに大切なのはシリアル通信でどんな内容をロボット同士で通信するかです。また、読まないといけないのはBluetoothの規格についてではなく、購入するモジュールの説明書です。

まずはいきなりロボットに接続するのではなく、パソコンを2台用意し、それぞれのパソコンのシリアルポートにBluetoothモジュールを接続し、どうすれば有線で接続した場合と同じ通信ができるかどうかを確認しましょう。

ここに入手性の高いBluetoothモジュールの例をのせておきます。日本語のマニュアル付きだとわかりやすいですが同じ機能なのに値段が張ります。できれば英語のマニュアルを読む方が経済的です。個人的には一番上のリンク先の「KC21」がおすすめです。これについては過去に紹介したことがあります。できれば、電源を投入するだけで事前に設定した通信相手を検索し自動で接続を確立する機能が搭載されている方が相手が限定されているロボット同士の通信には便利です。そうでないと、マイコンがモジュールに指示を出すプログラムも書く必要がでてくるので。

KCとBTシリーズ組込Bluetoothモジュール(英語マニュアル、購入の際はアンテナ内蔵のモジュールにすること)
Bluetooth DIP Module(BGB203)(英語マニュアル)
ZEAL-C01
ZEAL-S01

By chibiegg . 2009-01-31 . 19:43
コメント受付中! (1) Filed under: クラブ全般,小ネタ — タグ:

1コメント »

  1. ~ロボカップジュニア京都ノード練習会開催~
    (http://blog.livedoor.jp/robocupjuniorkyoto/)

    日にち:2009年2月7日(土)・8日(日)・21日(土)
    時間:10時頃~17時頃
    場所:洛陽工業高校ミレニアムホール
    (当日校門辺りに校内案内図を掲示します)

    サッカーもレスキューも練習場所を設置します。

    と言うことですので、洛星の皆さん方も是非いらしてください。
    それでは、またの機会に・・・

    コメント by moshi — 2009年2月2日 @ 23:21

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